ヒューリスティック分析とは?評価項目や進め方【レポートサンプル有】

2024年11月22日

Webサイトやアプリのユーザビリティを向上し、効果的に改善するには、
ユーザー視点で現状の問題点を抽出する「ヒューリスティック分析」という手法が有効です。
この記事では、ヒューリスティック分析の基本や、評価方法とその効果について詳しく解説します。
評価項目のチェックリストや無料のレポートサンプルも公開していますので、ぜひご活用ください!

ヒューリスティック分析とは?その目的と効果

ヒューリスティック分析とは、Webサイトやアプリを、評価原則やガイドラインなどの
経験則(ヒューリスティックス)に基づいて評価し、問題点を発見する分析手法です。

ヒューリスティック分析を行うことで、ユーザーのCV率を高め離脱を防ぐことや、直感的な操作性やデザイン上の使いやすさ等を見直し、ユーザーの満足度を高めることができます。
ヒューリスティック分析は、ユーザビリティに詳しい専門家が評価を行うことで効果的な結果を得ることができます。
専門家はユーザーの視点に立ってWebサイトやアプリの操作を行い、ユーザー体験を妨げている問題を洗い出し、その洗い出した問題に対する改善策を提案します。

ヒューリスティック分析を行うメリット・デメリット

メリット

以下3点が、ヒューリスティック分析のメリットとして挙げられます。

・豊富な事例をふまえた専門家からの意見を聞くことができる
・プロトタイプやデザインがあれば開発過程のどのタイミングからも実施できる
・低コストかつ迅速に分析〜改善まで実施ができる

-豊富な事例をふまえた専門家からの意見を聞くことができる

ユーザビリティに精通した専門家が評価するため、専門的な視点で問題や改善策を明らかにできます。
さらに、競合サイトや他の業界と比較した相対的な評価をしてもらうことも可能です。
専門家の意見を参考にすることで、具体的で実現可能な改善策を導き出すことができます。

-プロトタイプやデザインがあれば開発過程のどのタイミングからも実施できる

ヒューリスティック分析は、すでにリリースされているデザインのほか、プロトタイプやワイヤーフレーム、
作成途中のデザインなど、様々な段階のデザインに対し評価を行うことができます。
プロジェクトに入る前段階や開発段階でなど、プロジェクトのタイミング問わずに実施できるため、その後の修正コストを削減し、効率的に開発を進めることができます

-低コストかつ迅速に分析〜改善まで実施ができる

ヒューリスティック分析は、専門家が短期間で評価を行うため、結果がすぐに得られ、分析〜改善までを迅速に進めることができます。そのため、大規模なリサーチやユーザビリティテストと比べてコストが抑えられます。
限られた時間や予算の中で進めるプロジェクトでも、より良いサービス制作に向けて対策することができます。

デメリット

以下2点が、ヒューリスティック分析のデメリットとして挙げられます。

・専門家の経験やスキルによって、評価結果に差が生じる可能性がある
・評価者が実際のユーザーでないため、ユーザーの課題感が掬いきれない可能性がある

-専門家の経験やスキルによって、評価結果に差が生じる可能性がある

ヒューリスティック分析は、専門家の知識や経験に基づいて行われるため、評価する専門家のスキルレベルや分析視点によって結果が変わる可能性があります。
より効果的な結果を得るためには、実績がある経験豊富な専門家に依頼することを推奨します。

-評価者が実際のユーザーでないため、ユーザーの課題感を掬いきれない可能性がある

ヒューリスティック分析は、実際のユーザーから直接意見を聞く手法ではないため、ユーザーの本当のニーズや使い勝手に関する細かな課題感を完全には把握できないことがあります。
必要に応じてユーザビリティテストなどの分析手法と併用して実施することでより深いユーザー理解を得ることができるでしょう。

ユーザビリティテストやアクセス解析との違い

ユーザビリティテストやアクセス解析の分析手法と比較すると、
ヒューリスティック評価は、専門的な視点での評価をもらえることや、ツールの導入やユーザーへの検証準備が不要なため、分析〜改善までを迅速に行い改善につなげることができるのが大きな特徴です。

ヒューリスティック評価とユーザーテストの違い

ヒューリスティック分析の評価項目と具体例

弊社では、ニールセンの10のヒューリスティック評価原則やその他のデザインガイドラインをベースに、
独自の評価項目を設けて分析を行っています。
ここでは、その評価項目のチェックリストを一部をご紹介します。

ヒューリスティック分析評価項目レポート

上記チェックリストはあくまで分析を行う上で見るべきポイントの一部です。
実際に評価を行う際には、専門家の目線で以下も加味した評価を行います。

  • Webサイトやアプリの目的・方向性
  • お客様の課題感
  • ターゲットユーザーの特性やニーズ
  • 業界や競合の状況
  • 現状のパフォーマンスデータ

チェックリストを活用しつつ、これらの要素を総合的に判断しながら評価を行うことで、より具体的で実践的な改善策を導き出せます。改善策はお客様のニーズに応じた適切な形でご提案します。

ヒューリスティック分析では、単にガイドラインに沿った評価を行うだけでなく、
実際のビジネスやユーザーのニーズに即した柔軟な分析を心がけることが重要です。

ヒューリスティック評価サービス資料

ヒューリスティック分析の進め方

ここからは、ヒューリスティック分析を効果的に行うための基本的な手順を紹介します。

ヒューリスティック分析の手順

Step1.課題と目的の整理

ヒューリスティック分析を行う前に、まず「なぜこの評価を行うのか」「どういう課題があるのか」といった課題と目的を明確にします。

ポイント:目的を定める

課題を洗い出し、評価の目的を設定することで、分析の焦点が定まります。焦点を明確にすることで、
課題抽出の精度が上がるほか、関係者への共有や行為形成もスムーズになり、プロジェクトの方向性もブレにくくなります。

Step2. 対象範囲を設定

評価対象の範囲を決めることで、評価の焦点を絞り込みます。 サイト全体のユーザビリティを確認するのか、
特定のページや機能にフォーカスして評価するのかなどを決定します。

ポイント:適切な対象範囲を定める

対象範囲が広すぎると評価に時間がかかってしまいます。一方、狭すぎると全体の問題を見逃してしまう可能性もあります。評価の目的を踏まえて適切な範囲を設定することで、効率よく評価を行い、具体的な改善策を導き出すことができます。

Step3. 評価項目を設定

前述した10のヒューリスティック原則などを参考にしながら評価項目を定めます。 評価項目はチェックリストのような形で資料化することが一般的です。

ポイント:評価項目で基準を明確にする

どのエリア・パーツに問題があるのかを具体的に洗い出します。競合サイトも同時に評価する場合は、同様の観点で比較を行い、客観的な視点での評価を心がけます。複数の評価者で分析を行うことで、より多角的な視点から問題を捉えることもできます。

Step4. 評価分析を実施

設定した評価項目に基づき、ヒューリスティック分析を実施します。 評価者はユーザーの視点に立ち、対象サービスを操作しながら問題点をリストアップしていきます。

ポイント:問題を具体的に洗い出す

どのエリア・パーツに問題があるのかを具体的に洗い出します。競合サイトも同時に評価する場合は、同様の観点で比較を行い、客観的な視点での評価を心がけます。複数の評価者で分析を行うことで、より多角的な視点から問題を捉えることもできます。

Step5.課題の優先順位付け

評価分析から抽出された課題を整理し、それぞれの重要度や影響度に基づいて優先順位をつけます。

ポイント:ユーザー目線に立った優先順位付け

ユーザーの操作を妨げる重大な問題は優先度を高く設定し、デザインの微調整のみ必要なものは優先度を低く設定します。優先順位を決めることで、リソースを効率的に使い、重要な施策から改善へ進めることができます。

Step6.改善策の検討と実行

洗い出した課題に対して、具体的な改善策を考えます。改善策が決まったらその策を実行します。改善後は効果を検証するために、定期的に再度評価を行い、改善点が正しく機能しているかを確認します。これを繰り返すことで、継続的にユーザビリティを向上させていきます。

ポイント:結果に基づいた改善策のアイデア出し

改善策は競合サイトや参考サイトを基にアイデアを出すことや、画面構成を作成して議論することなども有効です。また、評価者以外が見ても分かりやすいようにレポート化することも大切です。

以上が、ヒューリスティック分析の6つの基本手順とポイントになります。

ヒューリスティック分析とAIの可能性

ではここで、急速に活用が進むAIとヒューリスティック分析の可能性について言及します。
AIは、大量のデータを学習し傾向をまとめることができるため、ヒューリスティック分析においても効率化に役立ちます。

AIを使うことで、事前準備段階でサービスの大まかな課題や傾向をピックアップすることや、簡易的なユーザビリティチェック・分析も可能です。
ただし、AIによってより迅速に課題の発見と対応ができるようになる一方で、
AIは専門家の経験や人間的感覚を完全に代替するものではありません。

ヒューリスティック分析は、ユーザーが感じる細かな違和感など、深い洞察が求められる場面も多いため、あくまでサポートツールとして活用し、専門家の評価と組み合わせて使用するのが最適です。

ヒューリスティック分析についてお気軽にご相談ください

ヒューリスティック分析は、専門家に依頼することで、課題・目的を深く理解した上での専門的な視点から具体的な改善策を提示してもらうことができます。

マイクロウェーブクリエイティブでは、1ページ単位でヒューリスティック分析が可能です。
また、競合分析や参考サイトとともに改善策をご提案しています。

ヒューリスティック分析をはじめとした、ユーザビリティ向上のためのサービスを複数ご提供していますので、
サイト・アプリに課題感をお持ちの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。
貴社の課題を丁寧にヒアリングし、最適なプランをご提案いたします!

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