ニールセンの「10のヒューリスティック評価」原則とは?

2024年11月22日

UI設計やヒューリスティック分析において、基本的な考え方やチェック項目を設定する基準として「10のヒューリスティック評価」原則がよく使用されます。
この評価原則は、1994年にユーザビリティ研究の第一人者であるヤコブ・ニールセン(Jakob Nielsen)とロルフ・モリッチ(Rolf Molich)によって提唱されました。
この記事では、この「10のヒューリスティック評価」原則について詳しくご紹介します。

「10のヒューリスティック評価」原則とは?

1. システム状態を可視化する
(Visibility of System Status)

「システム状態を可視化する」とは、ユーザーに対し、現在の状況や処理の進捗が視覚的に理解できるように表示することです。例えば、ロード中のインジケーターやステップバーなどがこれに該当します。

2. システムと現実を一致させる
(Match between System and the Real World)

「システムと現実を一致させる」とは、ユーザーに馴染みのある単語、フレーズ、概念、などを使って設計・デザインを行うことです。例えば、分かりやすいアイコンや親しみやすい表現を使うことなどがこれに該当します。

3. ユーザーに制御の自由を提供
(User Control and Freedom)

「ユーザーに制御の自由を提供」とは、ユーザーが誤操作した際に、アクションを中止したり戻ったりをしやすい形にすることです。例えば、戻るボタンの見つけやすさや取り消し機能の実装などがこれに該当します。

4. 一貫性と標準性
(Consistency and Standards)

「一貫性と標準性」とは、ユーザーが負荷なく直感的に操作できるように、サービス内で同じパーツや動作を使用したり、デザインに一貫性を持たせることです。例えば、同じ機能には同じアイコンや統一された表現を使用することなどがこれに該当します。

5. エラー防止
(Error Prevention)

「エラー防止」とは、ユーザーが誤って操作をしないように、設計の段階でミスを防ぐ仕組みづくりを行うことです。例えば、フォーム入力時にリアルタイムでエラーチェックを行う機能や、重要な操作の前に確認メッセージを表示することなどがこれに該当します。

6. 記憶に頼らない設計
(Recognition Rather Than Recall)

「記憶に頼らない設計」とは、ユーザーが直感的に操作ができるように必要な情報を画面上に表示することです。例えば、アイコンにラベルを設けたり、必要に応じてヘルプを表示するなどがこれに該当します。

7. 操作の柔軟性と効率性
(Flexibility and Efficiency of Use)

「操作の柔軟性と効率性」とは、ユーザーの経験問わず、誰もが効率的に操作できる環境を用意することです。例えば、リピーターに向けたショートカット機能の提供やコンテンツのカスタマイズ機能などがこれに該当します。

8. 美的かつシンプルなデザイン
(Aesthetic and Minimalist Design)

「美的かつシンプルなデザイン」とは、必要以上に情報やデザインを過度にせず、シンプルで機能的なデザインにすべきという意味です。例えば、画面に表示する情報をユーザーにとって必要な情報に絞ることなどがこれに該当します。

9. エラーを認識、診断、回復できる
(Help Users Recognize, Diagnose, and Recover from Errors)

「エラーを認識、診断、回復できる」とは、エラーメッセージをわかりやすく表示することで、ユーザーが問題を理解し解決できるようにすることです。例えば、エラーメッセージに専門用語を避けることなどがこれに該当します。

10. ヘルプとマニュアル
(Help and Documentation)

「ヘルプとマニュアル」とは、ユーザーが迷ったときに参考にできるヘルプやマニュアルを用意することです。例えば、使い方ガイドやFAQ、検索機能のあるサポートページを用意しておくことなどがこれに該当します。

(引用元)Nielsen Norman Group公式ウェブサイト:Nielsen Norman Group - 10 Usability Heuristics for User Interface Design


以上が、「10のヒューリスティック評価」原則の解説になります。

注意点として、この原則は過去に作成されたものであり、近年のWebサイトやアプリを評価するには不十分であるとの考えもあります。そのため、この指標をそのまま使用するのではなく、ユーザビリティ評価の参考として活用することが望ましいといえます。

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