ユーザビリティテストとは?目的や効果、実践的なやり方と依頼手順を紹介

2026年02月06日

ユーザビリティテストとは?目的や効果、実践的なやり方と依頼手順

Webサイトやアプリケーションの成果を最大化するためには、ユーザーが「迷わず」「ストレスなく」目的を達成できるかが重要であり、達成するためには、成果物の検証を行うフローが必要です。
しかし、制作サイドのみで検証していると、どうしても制作者視点のバイアスがかかり、ユーザー視点での課題が見えなくなってしまうことがあります。

そこで不可欠なのが「ユーザビリティテスト」です。本記事では、ユーザビリティテストの定義から実施手順、外注時のポイントまで、体系的に解説します。ユーザビリティテストをご検討中の方はもちろん、基礎から理解したい方もぜひ参考にしてください。

ユーザビリティテストとは?

ユーザビリティテストとは、実際のユーザーに、Webサイトやアプリ、製品やサービスを利用してもらい、
その行動や発言を観察することで、「使いやすさ」に関する課題を発見する評価手法のことです。

対象のWebサイトや画面が、想定通りに操作されているか、ユーザーがどこでつまずいているかを事実に基づいて検証するため、定性的なUXリサーチの中でもリアルなデータを集めたいときに有効な手法の一つとされています。

ユーザビリティテストとは

ユーザーテストとの違い

ユーザーテストとユーザビリティテストの違いは、検証対象が「価値・ニーズ」を含むか、「操作性・使いやすさ」にあるかという点です。
一般的に「ユーザーテスト」と「ユーザビリティテスト」は同義として扱われることもありますが、厳密には、以下のようなニュアンスの違いがあります。

ユーザーテスト
より広義な検証です。
「このコンセプトはユーザーに受け入れられるか?」「欲しいと思うか?」といった
ニーズや価値(受容性)の検証を含む場合があります。

ユーザビリティテスト
既に存在する(またはプロトタイプの)機能に対して、 「操作できるか」「理解できるか」といった
操作性・分かりやすさ(品質)の検証に特化します。

ユーザビリティテストの目的

ユーザビリティテストの主な目的は、開発者の視点では見えにくい
「製品やサービスの使いやすさ(ユーザビリティ)」を、実際のユーザーの視点で検証し、潜在的な課題を発見・改善することにあります。

多様なデジタルサービスが世の中に溢れ、競争が激化する現代において、
UI/UXの品質は、もはや「差別化を図るための要素」ではなく、「最低限押さえるべき品質基準」となりつつあります。
実際、使いにくいWebサイトは、わずか数秒でユーザーに離脱されてしまいます。
こうした課題を防ぐためにユーザビリティテストでは、
「ユーザーの好みを聞く」ことではなく、「ユーザーがタスクを完了できるか」
「どこで迷うのか」「なぜ誤った操作をしてしまうのか」といった点を、行動観察を通じて明らかにし、具体的な改善策を導き出します。

AI最適化に与える影響


さらに近年では、AI検索やAIO(AI Overviews)の普及も見過ごせない要素となっています。
これらは人間に対する体験向上だけでなく、検索エンジンやAIプラットフォームに正しく理解・評価されるための最適化にも直結します。
具体的には、以下の3つの観点でユーザビリティテストがAI最適化(GEO/AIO対策)に貢献します。


①ユーザーの行動データがAIの評価基準になる

AIや検索エンジンは、「ユーザーがそのページで満足したか」などの行動シグナルを、品質評価の参考情報として活用していると考えられています。
したがって、ユーザビリティテストを通じてサイトの使いやすさを改善することで、結果として滞在時間の向上や離脱の抑制につながり、AIから「ユーザーにとって有用な情報を提供しているサイト」と評価されやすくなる可能性があります。

②人間にとってわかりやすい=AIにとって理解しやすい

ユーザビリティが高いサイトは、情報の構造が論理的で整理されています。人間が迷わずに情報を探せる構成は、AI(LLM)にとっても情報を正確に読み取りやすく、引用元としてピックアップされやすくなる傾向があります。

③情報の信頼性の向上

操作性の悪いサイトやエラーの多いサイトは、ブラウザから情報の信頼性が低いと判断されるリスクがあります。「使いやすい設計」はサイトの信頼性を担保する土台となり、AIが回答を生成する際の「信頼できるソース」として選ばれる可能性を高めます。

効果と改善できる課題

ユーザビリティテストを実施することで、以下のような効果が期待できます。

  • CVR(コンバージョン率)の向上
    ユーザーが迷わず目的のアクションに進めるようになり、問い合わせや資料請求などの成果につながりやすくなります。

  • 開発・修正コストの削減
    課題箇所を早期に特定することで、無駄な改修や仕様変更を減らすことができます。

  • サポートコストの低減
    操作につまずくポイントを改善することで、問い合わせサポートの工数削減につながります。

ユーザビリティテストの実施がおすすめな企業・サイトの状態

ユーザビリティテストは、特に次のような課題や状況にある企業・サイトにおいて、効果を実感しやすい手法です。

・Webサイトやアプリの離脱率が高い企業
一定のアクセスはあるものの、問い合わせや申込みなどの成果につながっていないケース。

・機能が複雑なBtoBシステムやSaaSを提供している企業
マニュアルに頼らず、ユーザーが直感的に操作できているかを確認したい場合。

・サイトリニューアルを控えている企業
現行サイトの課題を整理し、リニューアル後の情報設計やUI設計に活かしたいケース。

サイト評価の手法一覧

ユーザビリティを検証する方法には、いくつかの代表的な手法があります。

代表的な評価方法

思考発話法(think aloud)

ユーザーにWebサイトや画面を操作してもらいながら、「何を考えているか」を独り言のように発話してもらう手法です。
ユーザーの行動だけでなく、その背景にある思考や判断理由(Why)を把握できるためユーザビリティテストにおいて最も標準的な手法の一つとされています。

ヒューリスティック分析(専門家評価)

UI/UXの専門家が経験則に基づいて評価する手法です。被験者を集めず、短期間・低コストで網羅的な検証が可能です。

ヒューリスティック分析については、以下のコラムで詳しく解説しています。
関連コラム:ヒューリスティック評価とは?評価項目や進め方【レポートサンプル有】

ケースに応じた使い分け

評価の目的やフェーズによって、適切な手法を使い分けることが重要です。

初期・全体チェック:ヒューリスティック分析

期待されるルールや一般的な慣習から外れている点を洗い出し、大きな問題を早い段階で可能な限り取り除きます。

改善・リニューアル:ユーザビリティテスト

実際のユーザーの思考・行動・発話をもとに、なぜ迷うのか、なぜ誤操作が起きるのかといった課題を具体的に深掘りします。

ユーザビリティテストの実施方法

実際にユーザビリティテストを行う際の標準的なフローは以下の通りです。

① 目的設定・仮説立案

「何を知りたいのか」を明確にします。
「サイト全体をなんとなく見てほしい」ではなく、 「新たに追加した機能の使いやすさを検証したい」 「特定の申込みフローにおける入力のしやすさを検証したい」など、 焦点を絞ります。

② 対象ユーザー選定と募集方法

実際のターゲット層に近いユーザー(ペルソナ)を集めます。

③ タスク設計とシナリオ作成

ユーザーに行ってもらう「課題(タスク)」を作成します。

【タスク例】
来週の友人の誕生日に3,000円以内のギフトを探しています。
良さそうなものを選んで、購入手続きまで進めてください。

※操作指示ではなく、利用状況(シチュエーション)を与えることが重要です。

④ ユーザビリティテストの実施

対面、またはZoom等のオンラインツールで実施します。
進行役は、ユーザーが沈黙した際に 「今、何を探していますか?」「どこに迷っていますか?」など 自然に発話を促し、ユーザーの行動を観察します。

⑤ 改善施策への反映

発見された課題を「重要度(影響度)」や「使用頻度」で分類し、 優先順位をつけて修正案に落とし込みます。

ユーザビリティテストにおけるリスクや注意点

ユーザビリティテストは、多くの発見を得られる一方で、被験者の選定や進行方法によっては、結果が偏る可能性があります。正しい判断につなげるため、以下の3つの注意点を確認しておきましょう。

1. 進行役のバイアス

進行役が「このボタンを押してください」といった誘導をしてしまうと、正しい結果が得られないため、誘導尋問にならないよう気を付ける必要があります。

2.被験者のリテラシー

ターゲット層と異なるリテラシーの人物を呼んでしまうと、検証したい課題とは別の問題(基本操作など)に時間を取られてしまう恐れがあります。

3.ユーザーの意見の反映

ユーザーの「もっとこうしてほしい」という意見は重要ですが、それが解決策として最適とは限りません。「行動」に注目し、本質的な原因を探る必要があります。

外注・発注時のチェックポイント

また、ユーザビリティテストは、進行や分析に専門性が求められるため、 社内での実施が難しい場合は、
外部の専門会社へ依頼するのが確実な選択肢です。 外注を検討する際には、依頼先の特性や進め方を事前に把握しておくことが重要になります。

どのような会社に依頼できるか?

ユーザビリティテストを外注する場合、主に以下のような会社が候補となります。

🖥️ Web制作会社・開発会社
サイト改善や実装まで一貫して依頼できる点が強みです。
また、テスト結果をそのままUI改善や改修に反映しやすいこともメリットです。

🧠 UXコンサルティング専門会社
分析の質が高く、深いインサイトが得られる傾向があります。
一方で、費用は比較的高くなるケースが多い点に注意が必要です。

📊 マーケティングリサーチ会社
モニター募集に強く、被験者集めのみを切り出して依頼することも可能です。
大規模調査や条件指定が必要な場合に向いています。

依頼する際の注意点

外注先を選定する際は、成果物の内容や進め方について認識のズレが生じないよう、以下のポイントを事前に確認しておきましょう。

アウトプットの形式
動画データのみなのか、詳細なレポートや改善提案まで含まれるのかなど、
納品物の範囲を事前にすり合わせておくことが重要です。

実績
同業界や、BtoB/BtoCなど自社サービスに近い領域での実績があるかを確認しましょう。
業界理解の有無が、分析の精度に大きく影響します。

社内での準備事項

テストに使用する検証環境(ステージング環境)や、プロトタイプ(Figmaなど)のアカウント権限を事前に共有する必要があります。
また、対面で実施する場合は会場準備も必要となるため、可能であれば事前に簡単なリハーサルを行っておくと安心です。

おわりに

ユーザビリティの課題は、サイトの状況やフェーズによって異なります。
そのため、画一的な手法ではなく、目的に応じた検証を行うことが重要です。

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