MA(マーケティングオートメーション)ツールは、正しく導入・運用することで、
マーケティング成果の向上や業務効率化によるリソースの最適化といった大きなメリットをもたらします。
とはいえ、導入を検討されているご担当者さまからは、
「結局、どんなことができるツールなのか分からない」「調べてもカタカナ用語ばかりでイメージが湧きにくい」
といった声を伺います。
本コラムでは、初めての方でも理解しやすいように、わかりやすい言葉でMAツールの基本や役割、導入までの流れ を解説します。導入検討の第一歩として、ぜひ参考にお読みください!
目次
MAツールとは?マーケティングオートメーションの基本
MAツール(マーケティングオートメーション)とは、企業が見込み顧客の購買プロセスを効率的に前進させ、営業活動の成果につなげるための仕組みを自動化するツールのことです。
例えば、サービス資料の請求やセミナー参加といった顧客の行動データを収集・管理し、各顧客の購買フェーズや関心分野に応じて、最適なコンテンツやメールをタイミングよく提供することで、見込み顧客との関係を継続的に深めていくことができます。

MAツールの特徴
MAツールが本来の力を発揮するのは、マーケティングプロセスにおける 「02:リード育成(リードナーチャリング)」 の段階です。見込み顧客が商品やサービスに興味を持ち始めてから、購買や商談に進むまでの間に行うアプローチを効率化できるのが大きな特徴です。
「データの管理のみを行う」という意味合いの限りでは、
01「リード獲得」や03「リード選定」についても範囲に含まれる場合があります。
Webマーケティングの流れとMAツールの位置づけ
MAツールを理解するための前提知識として押さえておきたいのは、Webマーケティングが大きく
「①リード獲得」→「②リード育成」→「③リード選定」という流れで進むという点です。
このプロセスを理解しておくことで、MAツールがどの段階で力を発揮するのかがより明確になります。
以下では、それぞれのステップについて順を追って解説します。
ここでいうリードとは「見込み顧客」のことを指し、将来的に自社のお客様になり得るユーザーを意味します。
(本記事でも触れますが、メールマガジンなどマーケティング施策の対象になります。)
① リード獲得(リードジェネレーション)
まずは、自社の商品やサービスに関心を持っている可能性がある企業や個人の連絡先を獲得することが最初のステップです。
連絡先がなければ、そもそも営業アプローチをかけることができないため、セミナー申込、ホワイトペーパーのダウンロードなどを通じて接点をつくる必要があります。
② リード育成(リードナーチャリング)
獲得した全てのリードが、すぐに自社の商品やサービスの購入・導入を検討しているわけではありません。
だからこそ、将来的に「〇〇を導入しよう」となった時に自社を候補に挙げてもらうために、検討を後押しする有益な情報を継続的に届けることが重要です。
例えば、業界の最新動向や他社の導入事例などの有益な情報を提供し、見込み顧客との関係を築いていきます。
③ リード選定(リードクオリフィケーション)
最後のステップは、営業アプローチをかけるべきリードを選定する段階です。ここでは、自社にとって「今すぐ検討度が高い」リードを絞り込むことが目的となります。
ただし、「営業に渡すリードの条件」や「受注活動の体制」は会社によって異なるため、自社の事情や基準を踏まえた選定ルールを設けることが欠かせません。
MAツールとSFA・CRMの違い
MAツールを理解するうえで、よく比較対象となるのがSFAやCRMです。
実際、「SFAやCRMと何が違うのか?」というご質問をいただくことも少なくありません。
いずれのツールも、基本的には顧客や営業活動に関するデータを管理する仕組み捉えると、イメージしやすいかと思います。

- CRM:広い意味での顧客データの管理。(リードの事業領域や売上高 など)
- SFA:営業活動に特化した、データの管理。(リードの確度や商談ステータスの管理 など)
実際には、MAツール・SFA・CRMの機能がきれいに分かれているサービスは稀で、
全ての機能備えている、または、利用できる機能がプランによって分かれているサービスが
多くを占めていることに注意が必要です。
MAツールの主な機能
MAツールの役割を踏まえ、
「リード育成(リードナーチャリング)」を目的とする代表的的な機能をご紹介いたします。
①メールマガジン機能
MAツールと聞いて、まず最初に思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
自社でメールアドレスを保有しているリードに対して、メルマガを送信する機能です。
一斉送信はもちろん、 「セミナー参加者のみ」「3回以上、メルマガから資料をダウンロードしている人」など
送信相手を特定の条件にマッチするリードに絞ることができるのが重要なポイントです。
②フォーム作成機能
MAツールとWebサイト上のフォームを連携することによって Webサイトから来たお問い合わせ情報をMAツールのデータベースに蓄積し、 顧客情報の管理負荷を軽減することが可能です。
- 連携方法は大きく2種類
① MAツールでフォームを作成し埋め込む
② 独自で用意したフォームからデータ連携する - 運用のしやすさ重視なら①、デザインやUXの自由度を求めるなら②を推奨。
③LP(ランディングページ)作成機能
MAツール上でランディングページ(LP)を作成できる機能です。
プログラミングに関する専門的な知識が無くとも、ランディングページを作成・修正できる上に、ツールによっては、ABテストや解析を行うこともできます。
- LP制作の外注工数を削減でき、社内でスピーディーにPDCAを回せる。
- テストや解析を同一ツール上で行えるため、改善の効率が高い。
④シナリオ作成機能
顧客の行動に対して「分岐」を作り、自動化されたアプローチを実施する機能です。
(ざっくりですが、さらに詳細な条件づけを行った上で①メルマガ機能を使用するイメージです。)
一例をご紹介します。
- 分岐A:「申し込み通り、セミナーに参加したユーザー」に対しては、アンケートメールを送信する。
- 分岐B:「申し込みを行ったが、セミナーに参加しなかったユーザー」に対しては、別セミナーの紹介メールを送信する。
⑤スコアリング機能
メルマガ機能に並ぶ、MAツールの代表的な機能です。
各リードの属性や行動に対し、スコアの加点/減点/リセットを行うことで、
リードの確度を自動で振り分ける機能です。
確度の閾値(何点以上であれば「営業に渡してもよい」と判断するか?など)や、
変度させるスコアの大きさ(1回のメルマガ開封に対して何点加点するか?など)を設定します。
スコアリングによって、大量のリードに対してそれぞれ確度を振り分け、
ユーザーの検討ステータスやニーズに合わせてカスタイマイズされた施策を打つことが可能になります。
⑥その他機能
MAツールの機能は多岐に渡るため、全ての機能を紹介すると情報量が膨大になりますが、
主には「申し込みページ作成」「ユーザー行動分析」「広告連携」など、リード育成を支援する機能がある点を押さえておきましょう。
導入を検討する際は、まず上記の基本機能を検討し、必要に応じて追加機能を見極めることをおすすめします。
最適な機能選びに迷われた際は、MAツール支援実績のある当社マイクロウェーブクリエイティブへお気軽にご相談ください。
MAツール導入の注意点とよくある失敗例
MAツールの機能や特徴を理解していても、導入がうまくいかないケースは少なくありません。ここでは代表的な失敗例を2つ解説します。

失敗例① そもそも、MAツールを導入すべきリード獲得状態になかった。
一般論にはなりますが、「自動化」のメリットは膨大な情報を効率的に捌けるようになることです。
また、MAツールの導入や運用にはそれなりの費用が発生します。
自社で保有しているリードの数が十分でない場合、
MAツールを導入することで「リード育成」を自動化するよりも、
人力で丁寧にアプローチした方が効率的でコスト面のメリットも大きいことに注意しましょう。
失敗例② 他部署の合意を得ないまま、MAツールを導入してしまった。
MAツールの役割は、あくまで会社全体で行う受注活動をサポートすることです。
少なくとも、営業部署との連携がなければMAツールの導入および運用が成功することはありません。
マーケティング部署だけの意思で定義した”ホットリード”を渡しても、
営業部署に「我々がアプローチすべきリードとは言えない。」と突き返されてしまった、
というケースが多く見受けられます。
特に、本記事でも紹介しているスコアリングについては、リードの確度を定義する機能のため、
受注活動に関わる部署の合意を取りながら設定することが求められます。
MAツールを導入すべきか?【チェックリスト】
MAツールの導入を検討する際には、前述の注意点に加えて、自社の現状や目的を整理しておくことが欠かせません。判断をサポートするために、MA導入チェックリストをご用意しましたので、ぜひご活用ください。

▼デジタルマーケティング情報メディア QUERYY(クエリー) 関連記事
MA(マーケティングオートメーション)ツールとは?活用方法や導入メリットを解説
MAツール選定・導入でお悩みは当社にご相談ください
弊社は、MAツールの導入をはじめとした Webマーケティング全般のご支援を得意としています。
ご記入いただいたチェックリストの内容も活用しながら、貴社のお悩みを丁寧にヒアリングさせていただきます。
弊社の特徴
- 1,000社以上の企業サイト制作やデジタル戦略を支援してきた実績
- ベンダーフリーの立場 を活かし、特定のツールに縛られず、貴社の状況や将来像に最適なMAツールを提案
- KPI設計やカスタマージャーニー策定など、上流工程の戦略立案から導入後の活用支援まで一貫サポート
導入実績:栗田工業さま 会員型国内向け製品・サービスサイト
顧客の属性やステータスに即した情報提供を目指し、ユーザーのサイト流入からお問い合わせまでの行動やフローの整理を行いました。
MAツールとの連携を図ることで、マーケティング基盤として機能する製品・サービスサイトへと刷新しております。

この記事の著者

マイクロウェーブクリエイティブ マーケティンググループ
「戦略」から「施策まで」企業のデジタルマーケティングに直ぐ活かせる、旬な情報をお届けします。