RFPの書き方【サンプル・テンプレ付】で分かりやすく解説!

2025年03月03日

RFPの書き方をサンプル・テンプレ付で分かりやすく解説

Webサイトのリニューアルや新規立ち上げを行う際、プロジェクトを成功に導くためには、初期フェーズでの計画が重要です。その中でも、RFP(提案依頼書)は、依頼候補先の制作会社から提案を受けるにあたり、自社の要求を伝えるために不可欠な資料になります。

このコラムでは、 はじめてRFPを作成する方や、どのような内容を書けば良いか調べている方に向けて、
RFPの基本や、作成に役立つポイント、具体的な書き方まで丁寧にご説明します。
「RFPサンプル」と記入例、テンプレートをセットにした無料のお役立ち資料も提供しておりますので、ぜひご活用ください!

RFPとは?

RFP(Request for Proposal)とは、Webサイト構築やシステム導入・開発を依頼する際に、
候補となる制作会社・開発会社に提出する「提案依頼書」のことです。

このRFPは、プロジェクトの目的や要件、期待する内容などの要求事項を発注者が整理し、パートナー候補に伝えるためのドキュメントで、「ルールブック」や「プロジェクトの羅針盤」としての役割を持ちます。各社はこのRFPをもとに提案や見積もりを行い、その内容を比較・検討したうえで、最適な依頼先が選定されます。

昨今の顧客ニーズやタッチポイントの多様化を受けて、デジタル施策の選択肢が増えていることや、
Webサイトが持つ役割やシステムを取り巻く環境も複雑化を増す一方となり、
デジタルを活用する全てのプロジェクトにおいて、指針となるRFPの策定は非常に重要な工程といえます。

\RFPはプロジェクト成功の要/

RFP活用のポイント

発注する側は、要件漏れの無い正しい情報を記載した資料を作成し、
発注される側は、内容を踏まえた上で優先順位を明確化し目標達成に向けた「最適な提案」を行う。

RFP活用のポイント解説図

RFPを作成する目的と重要性

前項では、RFPの基本概念を解説しましたが、本章ではRFPの目的や重要性をご説明します。

結論からお伝えすると、
RFP作成の最大の目的は、各制作会社の提案を比較できるように、各社に統一感のある提案をさせることです。

RFPがない場合、またRFPの作り込みが不十分な場合、制作会社と依頼会社は下記のような状況に陥ります。

RFPが不十分な場合のイメージ

制作会社:提案の範囲/コスト感/納期が不明瞭なため、どのような提案を求められているか分からない・・・

発注側企業:各社の提案内容の範囲や粒度がバラバラで、提案の比較ができない・・・

結果として、各社への追加確認が必要となり、
十分なRFPを作成していれば不要であった余計なコミュニケーションが発生してしまいます。
(コンペの仕切り直しになるケースも散見されます。)

RFP作成時によくある間違い

RFPを書く際、内容が曖昧だったり、情報が不足していたりすると、納期遅延や追加費用の発生、提案の質のばらつきなど、さまざまなトラブルを招く原因になるほか、単なるデザインの改修で終わってしまい、本来の目的を達成できない恐れもあります。
こうしたアクシデントを未然に防ぐためにも、以下のようなよくある間違いを避け、ポイントを押さえたRFPを書く事が重要です。

ありがちな間違いとその対策

間違い1. 評価基準が不明確

【対策】評価基準を明示し、関係部署で意識統一を図る

比較の軸や判断基準が曖昧なままだと、提案内容がばらつき、各社の提案を公平に評価することが難しくなります。評価基準はあらかじめ定め、明記して依頼候補先にも共有することをおすすめします。

間違い2. プロジェクトの目的や優先順位があいまい

【対策】目的と予算内で実現可能な施策の優先順位を明確にする

目的が明確でないと、有効な施策が定まらず、最終的な目標を達成できない可能性があります。限られた予算や期間の中で、何を優先すべきかを社内であらかじめ整理しておくことが重要です。

間違い3. スコープ(作業範囲)の定義が不十分

【対策】実施したい施策を具体的に整理し、提案の範囲を明確に伝える

依頼内容が曖昧だと、提案の方向性がズレたり、要件漏れが発生し、追加対応が必要になる可能性があります。求める成果物や対応範囲は、しっかりと明記しましょう。

間違い4. 現状の情報が不足している

【対策】既存環境(CMS、システム構成、サーバーなど)を正確に記載する

現状の把握が不十分なままでは、制作・開発側が対応可否や工数を正確に判断できず、見積もりの精度やスケジュールに影響が出ます。既存の技術環境や制約条件は、できるだけ具体的に共有しましょう。

RFPの策定には、これらを未然に防ぎプロジェクトを成功に導く役目があります。

RFPは、パートナー企業への依頼資料であると同時に、社内の共通認識を形成するためのドキュメントでもあります。関係部署との調整やプロジェクト全体の理解を深めるツールとしても機能するため、
「社内調整」と「外部への依頼」の両面を意識して作成することが、プロジェクト成功への第一歩です。

RFP作成のポイント

ここまでの内容で、RFPの目的や重要性について解説してきました。
RFPはプロジェクトの成功に欠かせないドキュメントですが、
「しっかり準備したつもりだったが、コンペで望む提案が得られなかった」
「スケジュールや予算が大幅にずれ、プロジェクトが進まなくなってしまった」
など、当社にご相談をいただくケースも少なくありません。

実際、適切なRFPを作成することは容易ではなく、多くの企業が難しさを感じています。
そこで、RFP作成において特に重要なポイントを厳選し、以下でご紹介します。

押さえておきべきポイント

  1. 内容・費用・予定・基準の4つの基本項目を明文化する
  2. 現状把握やターゲット整理、課題抽出など必要な調査を精査、実行する
  3. 「何を実現するのか」という目的を明確化し、優先順位をつける
  4. 関係部署全ての「目標」「要望」を取りまとめて整理し、要求を一元化する
  5. 組織全体の計画やビジョンにリンクしている「目的」や「目標」を設定
  6. 目標指数は曖昧な表現を避け、具体的・定量的に記入する

この中でも、大切になるのが「1」の4つの基本項目の明文化です。

Quality=品質(要件)Cost=費用 Delivery=納期 Criteria=基準

こられを盛り込むことで、予算・納期内で、基準に準拠した高品質なアウトプットが期待できます。
さらには、経営層・営業・マーケティング・情シスなど社内関係部署と連携を取りながら、記載する内容に抜けや漏れが無いよう精査することも重要です。

RFPの書き方と内容

RFPの書き方

RFPを作成する際は、Webサイトやシステムの現状と要求事項を簡潔に整理し、分かりやすくまとめることが重要です。社内用語を使用する場合は、できるだけ説明を補足し、依頼先候補の制作会社やベンダーと共通認識を持てるようにします。
記載する情報は抜けや漏れがないように注意し、曖昧な表現を避け正確に伝えることを意識しましょう。

社内用語や専門用語は補足説明を入れる

社内用語や業界特有の専門用語は、そのまま使うと誤解を招く恐れがあります。
依頼先と共通認識を持つためににも、可能な限り注釈や補足説明を入れましょう。

情報の抜け・曖昧な表現に注意

依頼内容や要望の記載に曖昧な表現があると、提案の質にばらつきが生じます。
主観的な表現やあいまいな言い回しは避け、正確で具体的に伝えることを意識しましょう。

使用ツールは目的に合わせて選ぶ

一般的にはWordやPowerPointが多く使われますが、情報量や視覚的な整理が必要な場合には、図表が使いやすいPowerPoint、文章中心であればWordなど、ページ数やボリュームを考慮して、適した形式を選びましょう。

細かい情報は添付資料として分ける

課題や要件が多い場合や、リサーチや集計データなどの詳細情報がある場合は、別紙の添付資料にまとめることで、RFP本体を読みやすく保ちながら、必要な情報も漏れなく伝えられます。

プロジェクトの概要が分かる導入部分を設ける

表紙にはプロジェクト名・日付・社名を記載し、目次では資料全体の構成を整理して分かりやすく明示します。本題に入る前の「はじめに」では、プロジェクトの目的や、依頼先に向けた挨拶文を入れることが一般的です。

スケジュールを明記する

プロジェクトの進行に関わる主要な日程(提案書の提出期限、コンペの開催日、ベンダー選定のスケジュールなど)は、漏れなく記載しましょう。スケジュールが明確であれば、提案側も前もって準備しやすく、期日内に要件を満たす提案を行いやすくなります。

提案してほしい内容や業務範囲を明示

依頼したい業務の範囲や、期待する内容、提案書に含めてほしい事項などは、できるだけ具体的に記載しましょう。選定にあたって重視する評価基準(例:デザイン力・支援の充実度など)もあわせて明記することで、依頼先との認識のズレを防ぎ、的確な提案を受けやすくなります。

RFPの項目と内容の具体例

RFPの項目と内容

①プロジェクト全体像

プロジェクト名や概要などの基本的な情報に加え、プロジェクトの背景や目的、目指す方向性を明確に示します。また、具体的な目標やターゲット、競合情報、市場の状況などを記載し、プロジェクトの全体像として共有します。

内容例
  • プロジェクト名: プロジェクトの目的が伝わる正式名称
  • プロジェクトの概要・コンセプト: プロジェクト始動に至る背景や基本方針の説明
  • 現状の課題: 現状サイトやシステムにおける課題や改善したい点
  • 目的・方向性: 目的・期待する成果や実現に向けた方針
  • 具体的な目標: KPIや達成すべき指標(定まっている場合)
  • ユーザー・ターゲット: 主要ユーザー層や想定ターゲットユーザー
  • 競合、市場状況: 競合他社や市場動向

②作業範囲・発注内容

プロジェクトにおける作業範囲や発注内容を明確にします。
方針やプロジェクトスコープを示し、納品成果物や求める業務範囲について詳細を記載します。

内容例
  • 方針: 構築・開発作業における基本方針
  • プロジェクトスコープ: プロジェクトの依頼範囲(責任範囲)
  • 納品成果物: 希望する納品物や、データ納品の方法

③要求事項

プロジェクトを進める上での前提条件や依頼範囲の詳細に加えて、
スケジュールや予算、見積書の提出要件を明確にし、機能要件・非機能要件などの要求事項を具体的に定めます。

内容例
  • 前提条件: 指定事項や、プロジェクト実施における前提要求
  • 依頼範囲詳細: 制作・開発における業務範囲の詳細
  • スケジュール: 納期や各フェーズのマイルストーン
  • 予算: 想定する費用の範囲と内訳
  • 見積書: 提出フォーマット
  • スペック: 機能要件・非機能要件
  • プロジェクト体制: 体制における要件
  • 運用・保守: 必要なサポート範囲

機能要件:Webサイトやシステムに求められる具体的な機能要件
非機能要件:セキュリティ・パフォーマンス・拡張性など、機能以外の要件

④コンペ・提案について

提案を依頼する際の条件や要件をまとめます。
提案書の提出先・提出期限、提出方法やフォーマットを明確にし、コンペの実施スケジュールや流れを説明します。

内容例
  • 提案条件: どのような提案を求めるかを定義
  • 提案書の提出先・提出期限: 日時や時間などの期限、提出先の詳細
  • 提出方法・フォーマット: 提出資料の形式
  • コンペ日時等詳細: コンペの予定時期や開催場所、開催方式
  • 実施の流れ: 提案までのプロセス
  • プレゼンテーション: プレゼンに関する要件、指定事項

⑤選定について

提案の選定基準や評価方法を明確にし、選定にあたりどのようなポイントを重視するのかや、選定の流れを具体的に記載します。

内容例
  • 選定基準: 具体的な評価ポイント
  • 選定スケジュール: 選考プロセスの詳細
  • 結果詳細: 選定後の進め方

⑥コンペについての対応窓口

コンペに関する質問や問い合わせに対応する部署や担当者を明示します。

  • 対応窓口(部署名、担当者、連絡先): 連絡可能な担当者情報を記載
  • 質問、問い合わせ方法: 受付可能な手段
  • 締切日:質問の締切日
注意点

上記はRFPの中から抽出した項目の一部です。
実際は更に細かな項目に分けて、各項目内容を詳細に記載する必要があります。

更に具体的な内容と、記入例を記載した
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RFP作成は外部委託も可能

\企業サイトや大規模プロジェクトでは、外部委託が安心です/

規模が大きいサイトのプロジェクトでは、方針や戦略策定がにリソースが必要なことや、ドメイン、コンテンツが複雑であったり、社内関係部署が複数存在し各所との認識合わせにも時間がかかるなど、様々な難所があります。

更に、セキュリティやシステム・機能要件など、専門的な知識が必要なため、
大規模サイトや、企業サイトの構築・リニューアル時は、現状サイトの調査・分析、戦略策定の準備フェーズから、RFP作成を外部に依頼するケースが多く見受けられます。

マイクロウェーブクリエイティブでは、大手企業・大規模サイトの構築実績だけではなく、
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RFPテンプレート

RFPに関するよくあるご質問

  • Q

    RFP・RFI・RFQの違いは何ですか?

    A

    RFP(提案依頼書)は、発注者が要望や要件をまとめ、業者に具体的な提案を求めるための書類です。
    RFI(情報提供依頼書)は、システム導入や業務発注を検討している段階で、ベンダーから製品やサービスに関する情報を収集するために使われます。
    RFQ(見積依頼書)は、製品やサービスの価格を比較することを目的に、明確な条件に基づいてベンダーに見積を依頼する書類です。
    つまり、RFPは「最適な提案を受けるための依頼書」、RFIは「候補を絞るために情報提供を求める依頼書」、RFQは「価格を比較するための依頼書」といった違いがあります。

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