近年、企業におけるIR(投資家向け広報)活動において、サステナビリティ情報(ESG/SDGs)など、「非財務情報」の重要性が高まり、開示拡大の動きにつながっています。
このコラムでは、IR・サステナビリティの基本から、情報を充実させることによるメリット、自社サイトの対応評価方法やポイントなどを詳しく説明します!
企業サイトの「財務情報」「非財務情報」開示や評価について、ご興味をお持ちの皆様の参考になれば幸いです。
目次
IR・サステナビリティ情報とは?
IR情報は、財務状況や業績など、投資判断に役立てるために不可欠な情報のことで、サステナビリティ情報は、企業の長期的な持続可能性や社会的責任への取り組みを評価するために必要な情報のことを指します。
現在の企業経営では、財務的価値の向上だけではなく、環境問題の解決など社会的価値向上との両軸を求められているため、どちらも欠かすことができない重要な情報です。また、社会のルールを守り、コンプライアンスを維持している事などを示すCSR情報も、近年では重要視されています。
IR情報
財務・業績データや決済説明会情報などの定量情報や、会社情報、事業内容と経営戦略などの定性情報
サステナビリティ情報
ESG(※1)やSDGs(※2)達成に向けた考えや取り組み、実績など
CSR情報
品質や安全性、衛生、環境保護など企業の社会的責任に関する情報
※1 ESG=環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの観点
※2 SDGs=(Sustainable Development Goalsの略)より良い世界、持続可能な世界を実現するための行動指針
IR・サステナビリティ情報の重要性と開示が必要な理由
コーポレートガバナンス・コードの改訂や東証市場の再編に伴い、非財務情報の重要性が高まりをみせており、企業においては、自社のIR活動やサステナビリティの取り組みについて、適切に開示し発信することが求められています。
前項でも述べた通り、投資家や取引先を含むステークホルダーにおいても、投資を検討する際、財務情報だけでなく、サステナビリティや環境、社会、ガバナンス(ESG)への対応も重要な評価基準としています。そのため、企業は業績報告にとどまらず、長期的な成長や持続可能性を示す非財務情報を積極的に発信する必要があるのです。
IR・サステナビリティ情報を充実させるメリット
IR・サステナビリティ情報は、企業が持続可能な未来を目指す姿勢を明確に示すための重要な要素です。
企業には、次のような利点をもたらします。
- 投資家、求職者の信頼向上
企業の持続可能な成長戦略やリスク管理への取り組みを可視化することで、投資家・求職者など、新たな関係構築を必要とするステークホルダーからの信頼を得やすくなります - 企業価値の向上
サステナビリティ・ESGへの取り組みを発信することで、取引先や消費者からの評価が高まり、ブランドイメージや企業価値の向上につながります。 - ステークホルダーとの関係強化
投資家だけでなく、従業員や顧客、社会全体との良好な関係を築き、企業の社会的責任(CSR)を果たしていくことにつながります。
自社の対応状況を把握する「Webサイト評価」
貴社サイトでは、適切な情報開示や対応ができていますか?
自社のWebサイトの情報充実度や開示状況を把握したり、第三者評価機関のスコアを改善したい場合など、IR・サステナビリティの各評価軸に沿って現状のサイトを評価することが必要です。
評価の目的
- IR・サステナビリティサイトに求められる水準に対応できているか
- 客観的な評価を得ることができるか
- どのような改善が必要なのか、その優先順位 など
以下では、IRサイトや、サステナビリティページの評価サービスを提供する当社の評価カテゴリと項目を例としてご紹介します。
評価カテゴリ・項目例
【IRサイトの評価カテゴリ例と項目例】
-企業・経営情報
企業の持続可能性やESGへの取り組み、対応を評価
<項目例> 経営戦略・方針、ガバナンス、サステナビリティ報告など
-財務・決算情報
企業の成長性やリスク管理能力を判断する基礎となる情報を評価
<項目例> 決算概況、業績・財務データ、株価・株式情報など
【サステナビリティサイト/ESGページの評価カテゴリ例と項目例】
-環境
企業の環境への取り組みや数値データなどの開示状況を評価
<項目例> 温室効果ガス排出量の報告書、エネルギー使用量のデータなど
-社会
地域社会貢献など、企業の社会的責任への取り組みを評価
<項目例> 労働環境に関する報告書多様性の方針、地域社会貢献の活動報告書など
-ガバナンス
リスク管理、コンプライアンス体制など、企業のガバナンス体制の健全性を評価
<項目例> リスク管理方針レポート、コンプライアンスプログラムなど
更に詳しくご覧になりたい方は、IR・サステナビリティ評価チェックリスト資料をご覧ください。
→簡易チェックシート付ホワイトペーパーの請求はこちら
評価のポイント
複数の外部評価機関の指標を軸に多角的な評価を行い、視認性が高いレポートにまとめて考察することが理想です。
一番重要なことは、ランキング上位の企業の対応事例をすぐさま自社に取り入れるのではなく、企業やステークホルダーの特性を踏まえ、良好なコミュニケーションのための適切な手法を取捨選択することです。実際には、網羅的な知識が必要になるため、自社では難しいことが多く、専門家に依頼することをおすすめします。
→当社の「IR・サステナビリティサイト評価サービス」
評価の活用方法と手順
評価した後は、優先順位に沿って対策を行い、随時アップデートを行っていくことが理想です。
その為、運用に適したCMSの導入や、体制面の整備など、効率化に向けた対策も必要になります。
- サイトの評価
チェックリストに沿って、サイトを評価 - 対応策の検討
低評価の項目についてコンテンツの追加やデザインの見直しなど、対応策を検討 - 優先順位付け
コスト、重要度などを加味し、それぞれの対応策に優先順位決め - 対策の実施
優先順位の高いものから順次対応策を実施
最後に
当社では、IR・サステナビリティサイトの評価、レポーティング、改善案提示、部分改修、フルリニューアル・運用など、ご要望に応じたサービスを提供しています。
IR‧サステナビリティコンテンツは社会の変化に応じて最新の活動や全体方針を発信していくことが重要ですので、継続的なコンテンツ運用支援サービスにも注力し、貴社課題に応じた最善策をご提案します。
ぜひお気軽にお問合せください!
この記事の著者
マイクロウェーブクリエイティブ プロデュースグループ
クライアントのビジネス課題を解決するための提案経験を活かし、サイト制作に関する多岐にわたる情報を提供します。