日本国内で9,900万人以上が利用するLINEは、いまや生活インフラであり、企業にとっても顧客とつながる重要チャネルの一つです。
EC・小売、不動産、人材、保険、美容など、あらゆる業界でLINE公式アカウントの活用が広がる一方、現場では次のような課題も多く見られます。
・全員一斉配信しかできず、ユーザー属性に応じた出し分けができない
・ECや予約システムなど外部データとの連携が難しい
・配信効果の分析が限定的で、改善のサイクルが回らない
こうした課題を解決し、LINE運用を効率化・高度化するのが「LINEマーケティング支援ツール」です。近年は、顧客データを活用したパーソナライズ配信や、LINE通知メッセージによる新たなアプローチなど、より戦略的な運用が求められています。
本記事では、代表的なLINEマーケティング支援ツール4選を紹介するとともに、業界ごとに強みを持つパートナー企業の選び方についても解説します。
自社の業界・課題・体制に合わせて、最適なツールとパートナーを見極める参考にしてください。
目次
主要4ツールの特徴と比較
hachidori(ハチドリ)
特徴
企業の内製運用を支援する伴走型プラットフォーム。
通知メッセージ配信やID連携、API連携などの高度な機能を搭載しています。
強み
- 専任担当者による戦略設計から運用改善までの一貫支援が可能
- スピーディな実行力と柔軟なカスタマイズ対応が可能
- 「支援の手厚さ」と「開発力」の両立で、中小企業や大企業からの評価が高い
向いている企業
戦略設計から伴走支援を求める企業、自社システムとの連携を重視する企業、通知メッセージを活用したい企業
Lステップ
特徴
中小企業から個人事業主まで幅広く利用されている代表的なツール。
ステップ配信やタグ管理など、顧客育成型の自動化に強みがあります。
強み
- 「友だち追加から◯日後に配信」など、シナリオ設計が簡単
- 顧客の行動・属性に合わせた自動配信が可能
- 豊富な導入事例とコミュニティによる活用支援が可能
向いている企業
教育・スクールビジネス、コンサル業、美容サロンなど、少人数チームで効率的に運用したい企業
Liny(リニー)
特徴
データドリブン型のLINEマーケティングツール。
ユーザー行動データを自動収集し、興味関心に合わせた配信を実現します。
強み
- 顧客データをもとにした精緻なセグメント配信が可能
- LINE上での購買・行動分析によるPDCA運用が可能
- 3,500社以上の導入実績があり
向いている企業
データ活用を重視するECサイト、官公庁、自治体など幅広い業界
KUZEN(クウゼン)
特徴
高度なセグメント配信とCRM連携に強いLINEマーケティングツール。
顧客の属性や行動履歴、アンケート結果などをもとに、細かなセグメント設計が可能です。
強み
- ノーコードでスピーディにシナリオ設計が可能
- 外部CRMやMAツールとの連携で顧客データを一元化が可能
- 有人チャット・自動応答を組み合わせた柔軟な運用設計が可能
向いている企業
金融・流通・人材など、既存顧客のリピート促進やLTV向上を重視する業界
導入で変わる、LINE運用の質と成果
LINEマーケティング支援ツールの導入目的は、単に機能を増やすことではありません。
「人に依存しない運用体制を整え、継続的に成果を出せる仕組みをつくる」ことにあります。
導入後、企業が実感する主な変化は次の4点です。
1.「作業」から「設計」へ
これまで担当者が手動で行っていた配信・集計業務が自動化され、
作業時間を減らし、顧客体験を設計する“考える運用”へシフトできます。
2.データに基づいた意思決定が可能に
配信結果をセグメント単位で可視化できるため、
「どの層が反応しているのか」「どの導線が成果に直結しているのか」をデータで把握。
感覚的な運用から、数値に基づくPDCA運用へと進化します。
3. 顧客接点が継続的に
一度きりの配信ではなく、顧客の行動や関心に応じてメッセージを自動出し分けすることで、継続的な関係構築が可能になります。結果的にブロック率が下がり、LTV(顧客生涯価値)が向上します。
4. チームで運用できる体制に
管理画面が直感的で、複数メンバーで運用しやすくなることで、
属人化から脱却し、再現性のある運用体制を整えられます。
このように、支援ツールの導入は「効率化」だけでなく、成果を仕組み化するための重要なステップです。
LINEマーケティング支援ツールの活用事例
活用事例①:EC業界
購入完了や発送を通知メッセージで配信。
顧客が配送状況などをすぐ把握できるようになり、問い合わせ件数が減少。
再配達コストの削減にもつながりました。

活用事例②:旅行業界
LINEと自社の会員情報を連携することで、ログイン有無でリッチメニューをセグメント表示。
新規ユーザーには「新規会員登録」や「初回限定クーポン」を、既存ユーザーには「マイページ」や「お気に入り」を表示するなど、ユーザーごとに最適化された導線を提供できます。

活用事例③:人材業界
応募直後にLINEで面接日程を自動通知。未面談者へのリマインド配信を仕組み化したことで、面接率が上昇し、採用効率が大幅に改善しました。
このように、業界を問わず「顧客との接点を自動化・最適化」することで、工数削減と顧客体験の両立を実現する企業が増えています。

LINE活用を相談できるパートナー会社とは?
LINEをビジネスで成果につなげるためには、業界の知見を持つパートナー企業と協働しながら、最適な戦略を立てることも重要なポイントです。
ここからは、LINEヤフーの認定パートナープログラムの概要と、業界ごとに強みを持つパートナー企業をご紹介します。
LINEヤフー Partner Programの概要
LINEヤフーでは、実績と専門性を持つ企業を公式に「LINEヤフー Partner Program」として認定しています。 セールスパートナーやテクノロジーパートナーなど複数のカテゴリがあり、企業は安心してLINE活用を任せられる体制が整っています。
パートナー会社に相談するメリット
- 最新のLINE仕様に対応できる:頻繁なアップデートに即応できる知見を持っている
- 業界特化の戦略提案が受けられる:同業界での成功事例やデータをもとにした施策立案が可能
- 導入後の伴走支援がある:導入して終わりではなく、運用改善まで支援してもらえる
業界に強いパートナーを選ぶ理由
LINEは汎用的なツールですが、業界ごとに成果を出す方法は異なります。
例えば、ECでは「購買促進・リピート施策」、不動産では「内覧予約・成約フォロー」、人材では「面接リマインド・内定者フォロー」など。業界知見を持つパートナーを選ぶことで、施策設計から運用までスムーズに進められ、成果につながりやすくなります。
では、実際にどのような企業が各業界でLINE活用を支援しているのでしょうか。次章で紹介します。
業界別に選ぶ!LINE活用パートナー会社
① EC・小売業界
<活用イメージ>
- 購買履歴をもとにしたレコメンド配信
- ポイントカードの発行
- キャンペーン情報の配信
<相談先の一例>
株式会社エフ・コード(hachidori)
通知メッセージやID連携などを活用し、顧客ごとの購買行動に合わせた配信を設計、LTV(顧客生涯価値)向上を支援。
株式会社Mico(Mico Engage AI)
AIを活用したレコメンド配信により、顧客エンゲージメントを高める施策に強み。
② 不動産業界
<活用イメージ>
- 物件情報の配信
- 内覧予約・日程調整
- 成約後のフォロー配信
<相談先の一例>
株式会社クウゼン(KUZEN)
LINEを活用して、不動産事業者とユーザー双方にとって最適なコミュニケーションを実現。
③ 人材業界
<活用イメージ>
- 面接日程の通知メッセージ
- 内定者フォロー
- 求職者への求人配信
<相談先の一例>
株式会社Mico(Mico Engage AI)
AIを活用したレコメンド配信など、1to1コミュニケーション設計に強み。
株式会社エフ・コード(hachidori)
LINE通知メッセージにより、応募~面接~内定フェーズにおける歩留まり改善や業務効率化を支援。
④ 保険業界
<活用イメージ>
- オンライン相談予約
- 保険商品の案内
- 契約更新のリマインド
<相談先の一例>
株式会社エフ・コード(hachidori)
LINEを活用して契約更新や満期連絡の自動化など、顧客対応の効率化を支援。
モビルス株式会社(MOBI CAST)
LINE上での各種変更手続きの受付自動化など、顧客の利便性の向上に強み。
⑤ 美容業界
<活用イメージ>
- 来店予約の自動化
- クーポン配信
- 来店周期に合わせた再来店促進
<相談先の一例>
ソーシャルデータバンク株式会社(Liny)
LINE上での予約・顧客データ管理に対応し、顧客満足度向上を支援。
ここまで見てきた通り、同じLINE活用でも業界ごとに最適なアプローチは異なります。
次章では、実際にパートナーを選ぶ際に押さえておくべきポイントを整理します。
パートナー会社を選ぶ際のチェックポイント
パートナーを選ぶ際は、以下の観点を確認しておくと失敗がありません。
1. 実績
自社と同じ業界・規模での導入事例があるかを確認しましょう。
成果指標(例:CVR、LTV、ブロック率)もチェックポイントです。
2. サポート体制
導入時だけでなく、運用後も継続的な改善提案やレビューが受けられるかを確認。
専任担当の有無も重要です。
3. 料金体系
初期費用・月額費用・従量課金などのバランス、自社の規模に合うプランがあるかを確認。将来的な拡張費用も把握しておきましょう。
4. カスタマイズ性
CRM・EC・予約など自社システムと連携できるか。API連携や運用設計の柔軟性も比較ポイントです。
5. ガイドライン・運用体制
LINE公式のUX審査や個人情報の取り扱い体制が整っているかも重要な判断基準です。
まとめ
LINEは、もはや単なるコミュニケーション手段ではなく、企業のマーケティング基盤となっています。支援ツールを活用すれば、LINE公式アカウントを効率的に運用し、成果を生み出すチャネルへと進化させることが可能です。
今回紹介した4つのLINEマーケティング支援ツールは、それぞれに強みがあります。
ただし、ただツールを導入するだけでは成果は出ません。
業界特性や自社課題を理解したパートナーとともに、設計・運用・改善を継続的に行うことが成功の鍵です。特に、LINEヤフー Partner Programに認定された企業は、最新仕様への対応力や実績を備えており、初めての導入でも安心して任せられます。
LINE運用を「続ける」から「成果を出す」フェーズへ。
まずは、自社の業界に強いパートナーや気になるツールの資料を比較し、最適な支援体制を見極めてみてください。
そこから、LINEマーケティング成功への第一歩が始まります。
※本記事で紹介している企業・サービス内容は2025年10月時点の情報に基づいています。最新のパートナー情報は、LINEヤフー for Business公式サイトをご確認ください。

この記事の著者

マイクロウェーブクリエイティブ マーケティンググループ
「戦略」から「施策まで」企業のデジタルマーケティングに直ぐ活かせる、旬な情報をお届けします。




