ヘッドレス(Headless)CMSとは?特徴、機能比較など徹底解説

2024年05月22日

近年注目を集めている「ヘッドレス(Headless)CMS」は、従来のCMSとは異なり、コンテンツ管理部分(バックエンド)と表示部分(フロントエンド)が完全に分離されたコンテンツ管理システムです。
「ヘッド」とは表示部分のことを指すため、CMS自体に表示機能がないことから「ヘッドレス」と呼ばれています。

本記事では、ヘッドレスCMSの特徴とポイント、代表的なサービス、ヘッドレスCMSの主な機能を解説し、その魅力を紹介いたします!

ヘッドレスCMSとは?特徴とポイント

従来のCMSでは、コンテンツ配信にテンプレートが使用されます。一方、ヘッドレスCMSでは、テンプレートに縛られることなく、あらゆるプラットフォームへコンテンツを配信できます。Webサイト、アプリ、デジタルサイネージなど、アイデア次第で可能性は無限に広がります。

ヘッドレスCMSの特徴

  • 自由度の高いコンテンツ配信
  • 開発の効率化
  • セキュリティの高さ
  • マルチデバイス対応

中でも下記の3つが主なポイントになります。

1.テンプレートに縛られないコンテンツ配信

従来のCMSでは、コンテンツ管理と配信が一体化しており、デザインとレイアウトはテンプレートに固定されていました。 ヘッドレスCMSは、コンテンツ管理と配信が分離しているため、デザイン変更の容易さを兼ね備えた自由度の高いコンテンツ配信を実現します。

コンテンツ管理と配信が分離していることで、自由度が高い配信が可能

2.堅牢性と安定性に優れたセキュリティ

ヘッドレスCMSはコンテンツ管理と配信を分離しているため、攻撃対象となる領域が狭くなり、被害が限定されます。 暗号化通信や管理画面・APIのIP制限など堅牢性のみならず、APIの権限制限により有事の際も被害を最小限に抑えることが可能です。

コンテンツ管理と配信を分離しているため、セキュリティが優れている

3.フロントエンドの自由度の高さと開発の効率化

コンテンツ管理と表示部分を別々に開発できるため、開発の並行作業が可能になり、工数短縮につながります。 さらに任意のフロントエンド技術を選択することが可能となっており、CMSによる制限が少ないのも特徴の一つです。 自由度が高い反面、より技術力が求められるケースもあり、技術選定が難航する点や開発難易度が上がったことにより工数が増加する可能性には注意が必要です。

任意のフロントエンド技術を選択可能なため、CMSによる制限が少ない

ヘッドレスCMSの代表的なサービス

ヘッドレスCMSを提供しているサービスは現在も増え続けており、各サービスはそれぞれ強みや異なる機能を持っています。 代表的なサービスをいくつかピックアップし、それぞれの特徴を紹介していきます。

代表的なサービス

ヘッドレスCMSの代表的なサービスとして下記をピックアップしました。

microCMS

microCMSはAPIベースの日本製HeadlessCMSです。
ドキュメントもサポートも完全日本語対応しており、誰でもかんたんに更新できるのが特徴です。コンテンツの複製機能がデフォルトでついているのも嬉しいポイントです。

Kuroco

Kurocoは5000社を超える導入実績を持つ日本製のCMSです。
会員制サイトを構築する機能や様々な情報収集をするためのアンケート・フォーム設定機能を兼ね備えており、パーソナライズ機能の豊富さが特徴です。 また、サポートが充実しており、基本的な操作方法であれば無償で行ってくれるほか、有償サポートであれば技術に関するアドバイスや問題の解決してくれるので、技術力の面で不安を感じる方には嬉しいポイントです。

Newt

Newtは日本製のヘッドレスCMSです。
コンテンツ作成画面のUI/UXにこだわっており、非開発者でも直感的な操作でコンテンツ管理を行えるのが特徴です。 お問い合わせフォームも兼ね備えているため、コンテンツ管理に加えフォームも含めた一元管理での運用が可能です。

strapi

strapiはオープンソースのフランス産のヘッドレスCMSです。
クイックスタートと呼ばれるスピーディな環境構築を行えるほか、高いカスタマイズ性が特徴です。 さらにmicroCMSのようなSaaS型とWordPressのような自前でサーバーを用意してインストールするセルフホスト型に対応しており、拡張性が高いのもポイントです。 セルフホスト型であればstrapi自体は無料で扱うことができ、使い方によってはコストを最小限に留めることも可能です。

ヘッドレスCMSの機能

ヘッドレスCMSには様々なサービスがあり、サービスによって利用できる機能は異なりますが、中でも代表的な機能を紹介していきます。

ヘッドレスCMSの代表的な機能

ヘッドレスCMSの代表的なサービスとして下記をピックアップしました。

  1. 豊富なコンテンツ作成機能
  2. API通信によるコンテンツの取得や編集
  3. データ連携
  4. 権限管理・セキュリティ

1.豊富なコンテンツ作成機能

ヘッドレスCMSは、コンテンツ作成に関わる豊富な機能を提供している場合が多く、あらゆるシステムの要件に適応できます。
通常のテキストフィールドからリッチテキストエディタ、画像やその他ファイルの管理、数字やセレクトフィールド、ラジオボタンなども設置可能です。 また、上記のフィールドを組み合わせて独自のカスタムフィールドを作成することもでき、それらを任意の数・任意の場所で呼び出すことも可能になっています。

2.API通信によるコンテンツの取得や編集

ヘッドレスCMSはコンテンツの配信のためにAPI(Application Programming Interface)を使用します。
APIとはアプリケーション間でデータを連携するための仕組みであり、ヘッドレスCMSではこのAPIを使用して様々なシステムやアプリケーションと連携し、コンテンツを配信しています。APIを使用することでCMS管理画面外の外部システム等からCMS内のコンテンツに対して操作をすることが可能になります。APIには様々な通信形式があり、コンテンツの配信以外の操作も行うことができます。

— 代表的なAPIの通信方式

GET:コンテンツを取得するための通信方式であり、一般的にコンテンツ配信にはこの通信方式が使われます。
POST/PUT:コンテンツの追加をする際の通信方式であり、コンテンツの入稿を行うことができます。
PATCH:コンテンツの編集をする際の通信方式であり、入稿済みの記事の編集を行うことができます。
DELETE:コンテンツの削除をする際の通信方式であり、記事の削除が可能です。

APIについての知識やAPIを使用して第三者からコンテンツにアクセスされないようなセキュリティ上の対策が必要となりますが、これらの機能を使用することでより自由なサイト・サービス作成を行うことが可能になります。

3.データ連携

ヘッドレスCMSでは一般的にコンテンツの変更を行なったことを通知するためのトリガー(Webhook)を配信します。
このトリガーを起点として外部システムではヘッドレスCMSのコンテンツ内容を反映する処理を行うのが一般的です。

この機能を利用してSlackなどのチャットサービスへの通知やメール通知、他のアプリケーションと連携してコンテンツの変更を起点に独自の処理をすることも可能です。

また、microCMSでは自社データベースなどの外部データを管理画面から参照・選択ができるようになっています。
外部のシステムとの連携が容易であることもヘッドレスCMSの大きな特徴です。

4.権限管理・セキュリティ

代表的なヘッドレスCMSサービスでは管理画面やAPIの権限管理機能を提供していることが一般的です。権限管理機能を使用することで、特定のユーザー・グループがコンテンツに対して行える操作を細かく制限することができます。 Webサイト・サービスの運用に他部署や他会社が関わる際にこの機能を使用することでリスクを軽減することができます。
また、先述した代表的なヘッドレスCMSではそれぞれが高いセキュリティを有しており安心してサービスを使っていただくことが可能です。※1 セキュリティリスクが比較的高いバックエンドをサービス提供者が担保してくれるため保守範囲を限定することが可能です。

※1 Strapiなど自社でサーバーを用意するセルフホスト型のサービスについてはセキュリティ対策を自身で行う必要がございます。

ヘッドレスCMSの導入・開発について

ご覧いただいている本マイクロウェーブクリエイティブサイトもヘッドレスCMSを使用して構築されています。ヘッドレスCMSや従来のCMSを含め高い知見をもった専門家がご質問にお答えいたします。
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